Stable Diffusionを使ってイラストを作るとき、好きなイラストをゲットするのはちょっとゲームのようで、高速化して速く作れるようになった方が好きな絵をゲットする確率は上がります。
実は、Stable Diffusionには、イラストをサクサク作れるようにする「xformers」という機能があるんです。でも、デフォルトでこの機能はオフになっています。
この機能をオンにすると、もっと速くイラストが作れるようになるのが、この記事のポイントです。ぜひxformersを導入して、サクサクとイラストを作る楽しさを感じてみてください。
xformersとは
『xformers』とは、Stable Diffusionに備わっている機能で、画像生成のプロセスを最適化することで生成速度を大幅に向上させることができます。
さらに、VRAMの消費も抑えられるのがこの機能の大きなメリットです。
しかし、初期設定ではxformersは無効の状態になっています。
その理由として、全てのGPUに対して完全な互換性があるわけではないことや、高いクオリティの画像を生成しようとすると、逆にVRAMの消費量が増大する可能性があるからです。
それにも関わらず、その効率性と速度から、公式ではxformers機能を有効にすることが推奨されています。
xformersを有効化させる前の準備
このあと編集する、『webui-user.bat』のバックアップは、xformersを起動する前に済ませておいた方が良いです。
私が使ってみたときはスムーズでしたが、使っている環境や設定によってはトラブルが起きるかもしれません。
将来のアップデートで予想しない問題が発生することも考えられるので、念のためです。
バックアップの方法ですが、
「stable-diffusion-webui」フォルダの下から2つ目にある「webui-user」ファイルをコピーするだけでOKです。
xformersのインストール方法
先ほどのコピー基のファイル『webui-user.bar』を右クリックして、編集を選びます。
するとこのような画面になります。
次に、「COMMANDLINE_AGRS=」に続けて「--xformers」と入力し、ファイルを上書き保存します。
上書き保存した「webui-user.bat」ファイルをダブルクリックして起動してください。
「Launching Web UI with arguments:–xformers 」となっていればインストール完了です。
WebUIを一番下までスクロールすると、[xformers: 0.0.20]と確認できますので、きちんと設定できています。
xformarsを使わない時は、先ほど入力した「--xformers」を削除して上書き保存してから起動すればいいです。
速度の比較
xformerを使用しない場合と使用した場合で、画像の生成時間の比較を行いました。
生成した画像は以下のものです。
GPU:RTX3090(VRAM24GB)
使用モデル:Realistic visionV51
Sampling method:DDIM
Sampling steps:30
Width:800
Height:800
Batch count:1
Batch size:1
CFG Scale:7
Script:photo of church,((masterpiece,best quality)),8k uhd, dslr, soft lighting, high quality, film grain, Fujifilm XT3,high angle
結果は、xformerを使わないときで7.5秒かかっていたものが、xformerを使うと5秒に短縮されました。